受講生作品

『怯える』(第1期フィクションコース初等科作品)
監督・脚本:古澤健(第1期フィクションコース初等科生)
1998年/16mm/34分
出演:鈴木卓爾/長門かおり/太田ゆき江/高橋洋/花本ちなみ/下田温泉
【あらすじ】近藤は一見、ごく平凡な専門学校生。恋人・ゆみかとは、彼女が姉と暮らす家に気軽に出入りできるような関係だ。そんな近藤のもとに、ある日届いた1本のビデオテープ。そこには近藤がおかした、ある「事件」が映し出される。差出人は不明だが、ビデオの最後には「携帯電話を購入し、その番号を駅の伝言板に書いておけ」との指示があった。ほどなくかかってきた「ぼくはあなたのファンなんです」という謎の男からの電話。かれらの目的は何なのか?近藤はさらなる闇へと引きずられていく。

1999年クレルモンフェラン国際短篇映画祭招待


『はるのそら』(第1期フィクションコース初等科作品)
1998年/16mm/38分
監督・脚本:松本知恵
出演:水高ニキ/鹿角優邦/川崎桜/平岡育子/億田明子
【あらすじ】デザイン事務所につとめるハルコは学生時代からの恋人、ケンジと暮らしはじめて1年になる。とりたてて問題はないのだが、20代も後半を迎えたハルコは、上司からケンジの生活力のなさを指摘されたり、友人が突然、結婚することになったりで、どこかしっくりしない思いを抱えている。なにかをふっきるように会社を辞めたものの、数日たってそれを知ったケンジとは大喧嘩、その上、久し振りに自由な時間ももてあまし気味だ。それはハルコが自分自身、あるいはケンジとの関係をながめてみる時間にもなる。


『死臭のマリア』(第1期フィクションコース初等科作品)
1998年/16mm/27分
監督・脚本:伊藤晋
出演:横山豊蘭/五郎丸典子/小栗えりか
【あらすじ】健太郎は特に定職もなく、いよいよ生活費も尽きて空き巣を計画、忍び込んだのはアパートの隣の部屋、ところが住人の真理が忘れ物をとりに帰ってきたので鉢合わせとなり、動揺した健太郎は彼女を殺してしまう。ぼう然とする健太郎、そこへ真理の妹、恵理が訪ねてくる。その場は恵理が姉の彼氏と勘違いしてくれたおかげでなんとかとりつくろったものの、いつまでもごまかせるはずもない。自作の変声装置で真理のアリバイ(?)を作り上げたり、と骨を折ってみても、その一方で確実に真理の肉体は朽ちていく、健太郎はその罪を償えるのだろうか?


『鼻の穴』(第1期フィクションコース初等科作品)
1998年/16mm/30分
監督・脚本:稲見一茂
出演:菅原光男/田中ゆかり/渋谷実/古川琢也/佐々木誠/ビコ/永井尋己/広田照子
【あらすじ】ハナとリキは仲間のマルを裏切り二人で逃亡をはかるが、気付いたマルにリキは半殺しの目にあう。なぞの組織に辺鄙な森の中に拉致されたマルとハナはそこで赤い玉を飲み込んだまま埋められたリキの死体を掘りだすように指示される。マル、ハナ、オカマの花泥棒の3人がひと組にさせられて、ボタンひとつであの夜ゆきという番人の監視のもと発掘を強いられる。不毛とも思われる作業の果てに、土中から赤い玉をくわえたリキの頭があらわれた。そして、地面から伸びた手がマルとハナの生死を分けるのだが・・・・・・。
1999年オーバーハウゼン国際短篇映画祭招待


『集い』(第2期フィクションコース初等科作品)
1999年/16mm/30分
監督・脚本:遠山智子
出演:富田瑛子/廣瀬美葵/宮川大輔/堀田文子
【あらすじ】出口ならいくらでもあるんだよ…。出口が判らないままに少女、宇辺千はとある家へ辿り着いた。その家に住む奇妙な人間達。マシュマロに惹かれている女、秋崎。こたつに執着する男、平田。千を眠る姿で迎えた家の主である老女、小野。その住人達によって千は、それが当然であるかのように受け入れられ、自らも家の住人になっていく……。


『犬を撃つ』(第2期フィクションコース初等科作品)
1999/16mm/32分
監督・脚本:木村有理子
出演:堀江慶/山内知栄/糸井光琳/赤木香
【あらすじ】大学生の裕紀は、長い間空き家となっている実家に帰ってくる。数年ぶりに姉の麻紀と再会するが、やってくるはずの母は姿を現さない。夜になり、姉弟は子供の頃に見た不思議な光景を思い出していくのだが……。

2001年カンヌ映画祭シネフォンダシオン部門正式招待


『よろこび』(第2期フィクションコース初等科作品)
1999/16mm/32分
監督・脚本:松村浩行
出演:遠山智子/西山洋市/泉雄一郎/金炯紀/光地拓郎/美谷直人
【あらすじ】はたちの娘アオシギは老父とふたり暮し。「リズム社」に勤務する彼女はそこで様々な人々と接する。同僚との別れ、新たに加わった仲間、社長のやりとり、不良少年たちとの接触、同僚との再会。これらを通じてアオシギは新しい人生への手がかりを見い出していくかに思えたのだが……。

2000年エクサンプロヴァンス国際短篇映画祭招待
2001年オーバーハウゼン国際短篇映画祭国際批評家連盟賞受賞


『黒アゲハ教授』(第2期フィクションコース初等科作品)
1999/16mm/30分
監督・脚本:福井廣子
出演:水谷郷/倉沢愛/山崎剛太郎
【あらすじ】定年を迎えた恩師・金森教授の研究室で本の整理を手伝うマモくん。そこで彼は幼い日を過ごした物憂げ坂上を思い出す。そこは古本に似た甘いにおいが漂い、黒アゲハが宙を舞っていた。そんな頃、幼なじみのカナコを見かけたマモくんの幻想のなかで金森教授と黒アゲハ、カナコ。教授室が交錯していく。

2000年エクサンプロヴァンス国際短篇映画祭招待


『意外と死なない』(第1期フィクションコース高等科作品)
1999年/16mm/42分
監督・脚本:大九明子
出演:億田明子/けーすけ/愛染恭子
【あらすじ】痛みに人一倍敏感な小学生教師の月子。その日常はあまりにもイタイ。理想とかけ離れた生徒たち、親たち、無神経な同僚たち、そして執拗に彼女を付け回すストーカー。親友のマユは安っぽい「できちゃった結婚」を享受する。イ?テテテテ…月子にとれる道は、もはや一つしかなかった!のか?


『薄羽の蝶』(第1期フィクションコース高等科作品)
1999年/16mm/23分
監督・脚本:原瀬涼子
出演:上野友希/辻本祐子/児玉数夫
【あらすじ】なんとなくつまらない日々を過ごす由実子には、ぼけた祖母がいる。そんな祖母を見たくない由実子は祖母の誕生日に行かないとだだをこねるが、どうにかして行かせようとする母。祖母の誕生日、友人との待ち合わせ場所に向かう由実子が電車の中で見知らぬおじさんから受け取ったものは……。


『赤い芝生』(第3期フィクションコース初等科作品)
監督・脚本:梅内美江子
2000年/16mm/38分
出演:菊池百合子/山根光雄/桜井辰博/吉村智仁/小崎友里衣/上田秀美/川屋せっちん
【あらすじ】蕗は兄の居場所を作るべく芝生を赤く染める。兄の猛は恋人の浮気現場を目撃し、倦怠と閉塞を感じて恋人の幸男を殺害してしまう。一方、芝生から外に出る事で日常を保つ蕗は路上のシミに執着する男、清二に出会い二人は猛の住むマンションを訪れる。清二はそこで幸男の死体を発見する。


『夕陽』(第3期フィクションコース初等科作品)
監督・脚本:小泉恵美子
2000年/16mm/20分
出演:河野真綾/甲斐崎愛/鈴木りりあ
【あらすじ】小学生の光子は。地面に絵を描く小さな女の子・久美子を団地のベランダからみつけ、興味を持つ。光子は久美子に食事を出すなどして、お姉さんぽく振舞う。光子の友人・沙智を誘い、3人はバスでぶらりと出掛ける。沙智と仲良くはしゃぐ久美子。はしゃぐことができない光子。光子は猜疑心を感じる。


『APE』(第3期フィクションコース初等科作品)
監督・脚本:槌屋詩野
2000年/16mm/32分
出演:友寄篤/日高麻美/佐島敬規/モリナガシンイチ/影山憲男
【あらすじ】隆哉は職を探しているがうまくいかない。飲み物を買う金もなくなった隆哉の目の前にAPEが現れ、自動販売機をぶち壊さんばかりに殴りつけ、隆哉に飲み物を手渡す。APEが紹介してくれた仕事をこなす隆哉の前に派手な女が現れる。APEは女を追っているチンピラを倒し、隆哉は拳銃を持った男に撃たれてしまう。


『綱渡り』(第3期フィクションコース初等科作品)
監督・脚本:小出豊
2000年/16mm/33分
出演:浅野翔太/松橋かずき/長谷川智也/若葉要/長谷川健/桑原修/伊原勉
【あらすじ】小学生の葉一は精神的に不安定な母親と二人暮し。学校にも馴染めず常に自分の居場所がない。ある日、葉一は草原で傘を持って綱渡りをする男を見る。それ以来、葉一は傘を持って線の上を歩くようになる。転校した学校へ行く最初の朝、葉一は黒い傘を持ってバスに乗り、見知らぬ場所に向かう。


『信じる 信じない』(第0期ドキュメンタリーコース作品)
監督:中円尾直子
2000年/DV→βカム/46分
出演:荒井献/平田千晴/徳江さやか/恵泉女学園大学聖書研究会の皆さん/まぶね教会の皆さん
【解説】ミッション系女子大に通う中円尾は、日頃からある違和感を胸に抱いていた。友人の誰もが、あまりにも自然に神の存在を信じていることへの違和感である。礼拝、聖書研究会、必修の神学といった環境を考えれば、キリストの存在を身近に感じてもおかしくはない。だが、中円尾は、『神様って本当にいるの』という疑問にどうしても囚われてしまうのだ。親友の千晴さん、さやかさんに中円尾はその疑問をぶつける。聖書研究科の荒井学長にも同じ疑問をぶつけるが、取り付く島もない。やがて千晴さんは洗礼を受け、神の下僕となり、さやかさんには神の存在抜きに世界をどう説明するのと切り返される。神という絶対的な存在をめぐる話し合いのはずだったのに、この年代特有の存在への不安の話題に変わっていく。飢餓感に似た不安を誰もが抱えている。中円尾のキャメラは、ミッション系女子大という“女の園"の内奥にこうしてそっと触れていくのだ(佐藤真)


『2000年』(第0期ドキュメンタリーコース作品)
監督:林建太
2000年/DV→βカム/26分
出演:百瀬英雄/百瀬瑞恵/百瀬進也
【解説】はじまりは、単なる実習課題だった。ミレニアムの年越しをビデオ作品として5分にまとめようという、よくある“課題"である。林建太はヘルパーとして通いつめている家族の大晦日にビデオカメラを持ち込んだ。NHKの紅白歌合戦を時々思い出したように眺める父と子、年越し蕎麦の準備をゆっくりする母。そこには、どの家庭にもある平凡極まりない年の瀬があるばかりだった。ただ一点、いつもの年越しと違うのは、コンピューターの2000年問題によって、電気や水道などのライフラインに支障をきたす恐れがあったことだ。林の仕事は、重度の障害を持った人たちの在宅介護のヘルパーである。この家庭の場合、万一電気が止まったら、人命にかかわる非常事態が起きる。だから、万全の準備を整えて“その時"を待った。だが、何事も起こらなかった。残されたものは、どの家庭とも変わらない年末の日常だけである。だが、その日常をジーッと凝視すると実にいろいろなものが見えてくる。


『ふつうの家』(第0期ドキュメンタリーコース作品)
監督:長谷川多実
2000年/DV→βカム/45分
出演:長谷川三郎/長谷川恵子/長谷川起世/長谷川実世/高田理恵
【解説】娘は図に乗って父のやさしさにビデオを突きつけた。カメラの庇護を得て、娘は父に不満をぶつけるようになった。それでも父は胸襟を開くしかなかった。娘の不満とは、「ふつうの家」と違いすぎる家のことだった。父母とも部落解放同盟の専従職員として解放運動の先頭に立つ長谷川家であったが、家ではよき父、賢い母である。一方、娘・多実は、子供の頃から解放運動の“期待される娘像"を演じてきた自分が嫌になり始めた。娘は、食卓では解放運動の話題を口にしないというルールを作り、父母はそのルールに従うことになった。ところが、そのルールはいつしか破れ、長谷川家で小さな漣(さざなみ)が立つ。そして、娘は家を出る。娘・多実のビデオは父を見つめる。見つめられた父は。怒りながらも喜びを隠せない。こうして、「ふつうの家」はどの家庭でも抱える父娘の問題の見事な対話になったのである。


『GO! GO! fanta-G』(第1期ドキュメンタリーコース作品)
監督:清水浩之
2001年/ βカム/22分
【解説】すべては一通の葉書から始まった。極普通のサラリーマンだった父が、世間を騒がせる教科書問題の渦中の人だったのである。新しい教科書をつくる会の会員通知の葉書を手に息子は父に追及を始める。この時、息子は父と子の政治対決という正攻法を採らなかった。むしろくすぐり戦術というゲリラ戦を選んだのである。


『ナリタ、私の裸の王様』(第1期ドキュメンタリーコース作品)
監督:藤本美津子
2001年/ βカム/45分
【解説】ナリタ命のオバサンのこだわり日記。海外旅行マニアではない。成田空港反対闘争ファンなのである。鎌倉市の主婦・藤本美津子は子育ての渦中で見た小川プロの三里塚映画の衝撃を忘れられずにいた。反対している農家が一軒でもある限り絶対に成田空港は使わない。これが藤本のささやかな決意であった。


『あおぞら』(第1期ドキュメンタリーコース作品)
監督:加瀬澤充
2001年/ βカム/53分
都心に残された僅かな自然に裸足で挑みかかる子供集団。子供同士の喧嘩であっても、勝負のつくまで決して戦いを止めない。園舎も園庭もない幼稚園「あおぞら」は、いつもこうして都内の公園にゲリラ的に出没する。この幼稚園に1年間通いつめたキャメラが発見したものは…。


『ふくしゅう』(第4期フィクションコース初等科作品)
2001年/16mm/38分
監督:金子裕昌 脚本: 池谷明里
出演:新本加奈/佐々木ユメカ/ジーコ内山
【あらすじ】中年男性水原の愛人まりは、不安定な自分をもてあましながらも自分を幸せだと思っていた。水原の冷たい態度に、まりは彼に新しい愛人ができた事を悟る。友人あきの忠告にも耳を貸さず、まりは浴室の水原に銃を突き付けるのだが…。


『つもってゆく…』(第4期フィクションコース初等科作品)
2001年/16mm/36分
監督:宮川和浩 脚本: 荒野久美
出演: 中村裕子/浅井優
【あらすじ】ユキは結婚5年になる夫と二人暮し。自宅で校正の仕事をしている。ある日、訪ねて来た母親から、きちんと掃除をするように諌められたユキは、久しぶりに掃除機のスイッチを入れる。一度気になり出した室内の綿埃はユキの視野から消えることはなく、やがて校正をしながら転寝するユキの夢中で、彼女の足元を埋め尽くそうとする。ユキの異変に気付いた夫も「埃に埋る」妻の不安を取り除くことはできない。ついに家から逃げ出すユキ…。しかし、ユキを連れ戻した夫のひと言は、彼女の混乱を静めていった。早朝、駅へ急ぐ勤め人をよそに公園に出かけた二人は、折りから舞い散る花びらの中で眠る。


『zero』(第4期フィクションコース初等科作品)
2001年/16mm/31分
監督・脚本:鎌田優子
出演:伊丹明日香/木村朋彦/木崎大輔
【あらすじ】継母の死を知り、10年ぶりに家に戻ってきた菊子は腹違いの弟行生と再会する。行生との再会により菊子は忘れようとしていた過去を思い出していく。それは母による虐待だった。しかし、それ以上に菊子の心の中を支配している記憶。行生との鮮明な思い出が菊子を過去へと繋いでいく。それは行生との母を殺す計画だった。


『みち』(第4期フィクションコース初等科作品)
2001年/16mm/55分
監督・脚本:佐々木紳
出演:須藤真澄/齋藤勝彦/辰巳智秋/崎山勇/居駒多聞/高町美幸/吉田徹太/玉一敦也/澤田俊輔/遠山美穂子/小野利明
【あらすじ】都内の清掃会社に勤める村井佳子は、得意先で割ったガラスの為に山梨県内のガラス店・明治屋へ父親に車を借りて向かう。その途中、給油ミスでハイエースを代車に、GSのアルバイト・達夫が同乗して再出発するのだが、車酔いの激しい達夫との道程はなかなか進まない。お互いに打ち解けない二人。挙げ句に明治屋は閉まっていた。
しかし、富士山麓を周回するその道のりは、次第に二人の関係を変えていく。帰り道、結局、得意先のガラスは手配済みで、佳子は自棄になってガラスを割ろうとする。更にそれを止めようとする達夫とはその場で別れてしまう。だがその数日後、達夫は清掃会社を辞めた佳子を訪れ、二人は再び出発する。


『蘇洲の猫』(第3期フィクションコース高等科作品)
2001年/16mm/33分
監督・脚本:内田雅章
出演:黄金井直子/アッサム/川田希/山本尚明/樹杉東篤/松嶋真/安井豊/前田奈津子/神林理央子/尾山則子/碇英記/嶌本俊之
【あらすじ】引っ越し先で見つけた1通の古ぼけた手紙に彼女は返事を書く。そこから2年の時を隔てての彼女と智行の文通は始まった。彼女は現在の智行のことが気になり、封筒に記された住所を訪ねるのだが、そこで智行が失踪したことを知る。その事実を伝えると智行からの手紙はふっつりと途絶えてしまう。罪悪感に駆られた数日間。ある日、智行が時を超えて彼女の目の前に現れる。
2003年カンヌ映画祭シネフォンダシオン部門正式招待


『明るい部屋』(第3期フィクションコース高等科作品)
2001年/16mm/46分
監督・脚本:合田典彦
出演:伊藤猛/小山田サユリ/むかい誠一/佐藤裕子/土持仁那/佐久間玲央/藤森朋果
【あらすじ】1991年、初冬、海外生活をしていた伊吹が、数年ぶりに家に戻ってくる。彼に帰国を促したのは、友人・永井からの報せ《伊吹の妻の死去》であった。すでに、家には妻の亡骸は無く、若い家政婦・涼子が住み着いている。二人は、ままごとでもしている様に、一緒に生活し始める。過去の伊吹と妻の間に起こった事には頓着せずに振る舞う涼子。同様に、何もなかったかの様に生活する伊吹。セックス、散髪、ゴミ処理、掃除、お絵描き。当然の事のように反復される生活の細部。その中に、この家でのかつての生活を見ているのだろうか?在らぬ方向に視線を転じる伊吹の姿が、涼子の眼にはそう見え始めるだが…。突然、伊吹にレストランへ誘われる涼子。誕生日でもないのに花束をプレゼントされてとまどう涼子の予感。はじめて涼子の前に現れたときと同じ様に、伊吹は突然姿を消してしまうのだった。


『記憶のない生』(第2期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2002年/DVカム/7分
監督:後藤雅美/冨田信康/西晶子
【解説】高層団地の廊下に杖の音が響く。映画美学校ドキュメンタリー基礎科のインタビュー課題である『記憶のない生』は、面識のない人に取材するという条件のもと、3人のメンバーにより、子供、主婦、老人という3世代のドキュメンタリーとして企画され、高島平団地でロケされた。そこで買い物のビニール袋を下げた老人に偶然出会い、自宅に招かれたことが決定的だった。しかし、その取材に納得できなかった3人は、3日後に再度訪問したのだが、その時、92歳だという老人には彼女らの記憶がまったくなかったのである。その際のインタビューが、この作品の実質である。職業を問われた老人が教師だと答え、教えた科目が算数から、やがて数学へと変化する時間の残酷さが映し出される。やがて、亡き妻への記憶へと、インタビュアーの質問は向かう。わずか7分の小さな傑作である。


『ひとつぶの』(第2期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2002年/DVカム/23分
監督:對馬信英
【解説】東京・中延の手造り飴職人の記録である。映画美学校ドキュメンタリー基礎科の終了作品である『ひとつぶの』は、ものが「できるまで」の過程を追うという企画プレゼンを通して制作が決定された。きなこ飴、黒飴、さらし飴という3種類の飴のできるまでの過程が収められた。しかし、作者たちの真の葛藤は編集での試行錯誤となって顕われた。25分という上映時間に収めるため、どの飴を選ぶか。それにも増して橋本さんの人間味に魅せられた對馬信英たちは、過去のインタビューを通じての体験談、職人の歴史へと向かう気持ちが強かったはずだ。実際、興味深いエピソードが目白押しだったのである。しかし、彼らは「つくること」の現在形として、作品を提示する決断をする。そこでは、熱さ、柔らかさ、光の反射などが捉えられ、飴が硬くなるまでの時間の再現に挑みつつ、きなこと飴といった異なる質感のものが交じり合うときに生じる官能性が、見る者を魅了することになる。


『ヒノサト』(第1期ドキュメンタリーコース等科作品)
2002年/DVカム/42分
監督・飯岡幸子
【解説】ドキュメンタリーとしても、風景映画としても、型破りな魅力に満ちた傑作である『ヒノサト』は、映画美学校ドキュメンタリー高等科で、是枝裕和主任講師により選ばれた企画である。監督は、『オイデプス王/ク・ナウカ』でデビューした飯岡幸子。企画は彼女の祖父、飯岡修(故人)が自作したというSPレコード用の蓄音機のエピソードからはじまった。祖父は第二次世界大戦中、ぎりぎりに出来上がった蓄音機を一度だけ回して、出征したそうである。実家に残る蓄音機の箱をきっかけに、年少の頃の記憶しかない祖父のことを知りたくなった飯岡は、彼が高校の美術教師をしていた福岡県宗像市日の里の取材をはじめた。「日の里」の町のあちこちには、飯岡修の油絵が残されているのである。だが、映画「ヒノサト」はそうした事情をまったく説明しようとはしない。映し出されるのは、現在の町の様子、それもキャメラが透明になったかのような、人々が撮られていることを意識していないような情景である。市民体育館、高校同窓会館、総合福祉施設、美術部の生徒の家などを巡っていくなか、キャメラはひっそりと壁に掛けられている絵を収めていくがそれは絵の前を町の人が視線も向けずに通り過ぎていくように、あくまで町の日常のなかで静かに息づいている。しかし、その絵のタッチを通して、やがて観客は画家の過去にも分け入って行く。そこに、白地に意味不明の字幕が小さく挿入される。それが画家の日記だと推測できるようになると、現在の日の里、過去の祖父の時間をを示す日記、そのふたつを通底させる絵という三つの時間が流れ出す。その三通りの離れた距離が画家のアトリエに光が射し込むのをきっかけに、接近し、未曾有の映画的緊迫を醸し出す。やがて、祖父の残したレコードの音が響くのだが、それは日記で予告されたブルックナーの「ロマンテック」ではなく、フルトヴェングラーの指揮するベートーヴェン「レオノーレ序曲第3番」である。だが、町と祖父の遭遇も一瞬の夢だったかのように、日常の時間が回帰してくる。町を見下ろす許斐山(このみやま)の高台の無人の情景で、この静謐な空間は閉じられる。


『月のある場所』(第5期フィクションコース初等科作品)
2002年/16mm/43分
監督・脚本:杉田協士
【出演】田子真奈美/中村小麦/塩見三省/天光眞弓/森下能幸/眞島秀和/町田マリー/窪田恵/青木富夫
【あらすじ】入院している母親の病室を尋ねた真奈美は、そこで小麦と出会う、植物状態で眠る小麦の枕元には、高校時代、自殺する直前に友人が真奈美に残したのと同じ鈴が置かれていた。友人と小麦を重ね合わせる真奈美。過去の事実に負い目を感じていた真奈美は意識を戻した小麦とともに時間を過ごす中で、友人の家を訪れる決心をする。そこで友人の父親から手渡されたものは、真奈美宛に残された手紙だった。


『三姉妹日記』(第5期フィクションコース初等科作品)
2002年/16mm/39分
監督・脚本:清水信貴
出演:植村奈緒美/日高真弓/三国由奈/小林正史/若林裕太/鈴木千秋/めぐろあや/高濱正朋/田島達也/田中綾子
【あらすじ】川で溺れていた長女・智子は偶然通りがかった男・中山に助けられる。そしてそのまま三姉妹の家に転がり込む中山。命の恩人である中山を招き入れる智子。ひとり眉をひそめる次女・久美子。中山に密かな恋心を抱き始める三女・結子。ある日、俊介たちにいたずらされている結子を中山が助けたことから、三姉妹にとって事態は思わぬ方向へと加速することになる。


『とどまるか、なくなるか』(第5期フィクションコース初等科作品)
2002年/DVカム/36分
監督・脚本・編集:瀬田なつき
出演:嶺野あいか/洞口依子/桐本琢也/半田美保子/鳥澤奈央/清水沙映/小川尊/山口博之/岸さおり/佐藤明華/島田彩/佐藤美奈子/佐藤華子
【あらすじ】初夏。主人公の小川里佳は都内の家に家族で住む中学生。ある日、家に帰ると兄は部屋からいなくなっていた。数ヶ月後、父の転勤が決まる。さらに、母は疲労のため入院することになる。バラバラになる家族。「家」で一人になる里佳。加速しながらねじれていく日常。最初は楽しんでいたはずの一人暮らしもやがて窮屈になっていく。


『人コロシの穴』(第5期フィクションコース初等科作品)
2002年/16mm/36分
監督・脚本:池田千尋
出演:桐野ゆき/磯沙智代/木田貴裕/齋藤緑/高崎勝則/西山洋市/今関朱子
【あらすじ】風が強く吹いている丘の上、一人の少女がうたを歌いながら穴を掘っている???、成長した少女はお腹の中に一つの命を宿すが、誰にも告げられないまま堕胎してしまう。彼女の中には見られたくないものを穴に埋めていた過去が浮かび上がり、彼女の前には家族や恋人との埋められない現実が横たわる。ある朝、追い詰められた彼女は恋人の元をそっと抜け出し街をさまよい歩くのだが・・・。

2004年カンヌ映画祭シネフォンダシオン部門正式招待


『カナ子』(第5期フィクションコース初等科作品)
2002年/16mm/36分
監督・脚本:玉城陽子
出演:時任歩/ナガセケイ/下元史朗/紙田真希/小島泰子/鏑木悠利/夏枝/出山真弓/笹田留美/西山優希/嶋守千広
【あらすじ】カナ子の体に子供を残して田中は去った。そしてお腹の子も流れてしまう。過去を抱え上司との満たされない日常を過ごすカナ子。田中と再会を果たすが彼は事故によって不自由な体になっていた。カナ子の中の憎しみと愛情が交錯し田中に絡まってゆく。子供を育てるように空白を埋めていくが、再び田中を失うことを恐れるカナ子は次第に狂気へと向かう。


『如雨露』(第6期フィクションコース初等科作品)
2003年/16mm/31分
監督・脚本:吉井亜矢子
出演:白須陽子/行天友/佐伯登茂子
【あらすじ】染物工場で働く男クロは、地球カフェーに住む女ラクに出会う。ラクは頭に花が生え、首の大きな緑のあざは光合成していた。もう一人のカフェーの住人、玉もまた植物化している。ラクと玉の失神ゲーム、受粉。玉はできた実を吐き出し枯れていく。クロを好きな?ラクは彼と受粉するため、自分に流れるピンクの液体を飲ませ、彼の胸に花を咲かせる。ラクは彼の花をくわえ受粉。渦巻くサイコロ。無心でろくろを回すクロ。きのこオブジェ。屋上でラクの花とクロのオブジェが太陽の指令を受信。ラクの口から茎が伸び、ビルの壁を伝って地面に実をつける。光る雨の中ラクは燃え尽き、実だけが残る。その果汁でクロは一人、手ぬぐいを染める。
2004年オーバーハウゼン国際短編映画祭正式招待


『春雨ワンダフル』(第6期フィクションコース初等科作品)
2003年/16mm/36分
監督・脚本:青山あゆみ
出演:鈴木卓爾/北川智絵/小沢紗季/菊池佐玖子/小島由佳/アリ・アスギャリ/南英司/飯田まさと/下田祐司/吉岡睦雄/渡部真一/奥村勲/土井きよ美/森下創/黒崎幹晴/竹内陸人/岩楯健太/糟谷努/岡崎健/鈴木隆一/高橋淳
【あらすじ】ある日突然死ぬ病を抱えた男、春雨ハルオは、祖母の営む食堂で黙々とソバを打つ日々を送っていた。そんな春の日に、ハルオの嫁が謎の駆け落ちをし、春雨家に一億円の宝くじが当たり、一人の娘が食堂に置き去りにされる。ドラマチックな嫁の行為(出前プレイ)に傷ついた彼は、娘の母親を追って来た借金取りに宝くじを渡し「普通の生活への投資」という名目の下に娘を育て始める。娘は名前をビワコと言い、魚が嫌いで、無口であった。そして時々機械の夢を見た。それから十年、機械的に育った娘はオカッパの女子となり、ハルオに密かに恋する事となる。そんな夏の日、嫁の出前プレイに再び傷ついたハルオは「資本の回収」と称してビワコに結婚を申し込む。その夜二人は夫婦となり、やがてビワコはハルオの子を身篭る。ビワコとの「普通の生活」に執着し始めるハルオ。しかしその夜以来ビワコは機械の夢に取り憑かれ、家出を繰り返すようになる・・・。

2004年カンヌ映画祭シネフォンダシオン部門正式招待


『緑色のカーテン』(第6期フィクションコース初等科作品)
2003年/16mm/35分
監督・脚本:隅達昭
出演:杉内貴/永井正子/藤谷宥木/吉田隆太/薔薇絵/三井俊紀/齊藤あきら/芹口康孝/関口竜矢/佐藤貴亮/有馬美保/嶋田みさ子/三浦陽子/須賀豊/塚本智博/木田貴裕/植岡喜晴
【あらすじ】何日間も眠れずにいる瑞枝に、稜次はただ一緒に薬を飲んで眠ろうとだけ言う。2人は錠剤を飲み共に眠るのだが、瑞枝だけが先に目を覚ましてしまう。やがて稜次が目を覚ました時、そのすぐ側で、瑞枝は、瑞枝は自殺していた。死体となった瑞枝を受け入れることのできない稜次は、自分を他人事のように持て余しながら、部屋を出て歩く。道傍に落ちたまま鳴る携帯電話を拾い、知らない女の声を聞くが、なにも言えずに電話を切る。それを同じ頃、携帯を耳にあてて街なかを足早に横切っていく朝子がいる。他人の声ばかりを耳にしながら朝子は電話口にいるはずの男に会いに行くが、男は返事もせず姿も見せない。過敏になっていく神経を抑えようと石鹸水を飲み、幼なさを残す和也と出会い寄り添うのだが、和也は朝子を嫌って足を切り付けたまま置き去りにする。道傍から動くこともできなくなった朝子。通りがかりの稜次が、何も知らないまま言葉もなく、朝子に触れる。


『海を探す』(第6期フィクションコース初等科作品)
2003年/16mm/35分
監督・脚本:小嶋洋平
出演:堤憲一/木村佳代/斉藤亜希子/行天友紀/平林慎也/高橋幸/向井恵津子
【あらすじ】一年前の夏、深夜のプールに忍び込んだ大学4年の土岐は、男に捨てられ衝動的に自殺しようとしていた女、ナツミと出会う。夢中になれるものもなく、毎日を無為に送っていた土岐とナツミは互いの心の空白を補うかのように惹かれあい生活を共にするようになる。一方、クリーニング店の娘マリはいつも高校のプールを眺めている男(土岐)が、店に女物の洋服を取りに来るところを目撃し、興味を持つ。母親の再婚話、友達との考え方の不一致の中で揺れ動くマリは、持ち前の強引さで土岐と知り合い、土岐にだけ心を許すようになる。満たされない自分達の生活に疑問をもちつつも、何を探していいのかわからなくなった三人の関係は…。やがて三人にふさわしい結末がくる。


『citylights』(映画美学校映画祭2003出品作品)
2003/DVカム/100分
監督・編集:服部智行
出演:稲葉千穂子/平塚秀人/内田知/佐野彰芳/鈴木健夫/土肥基/深津加代子/森川加奈子/美月めぐみ/杢代絵三子/森永美紀/吉川俊平/City Lightsのみなさん
【あらすじ】視覚障碍者とともに映画を楽しむボランティア団体City Lightsは、メーリングリストでの活発な交流によって、会員数も大幅に増加しつつあった。映画「アマデウス」の同行鑑賞会が企画され、メンバーの手によって制作された音声ガイドが、映画と同期しFMラジオ送信機を通して、鑑賞者のイアホンへと届けられる。数名のボランティアと視覚障碍者が、「釣りバカ日誌2」映画鑑賞のための音声ガイド制作を行うことになった。シナリオが読み込まれ、作品が詳細に分析され、音声ガイドの言葉一つ一つが吟味されながら、ガイドが作り上げられていく。メンバーへのインタビューを交えながら、City Lightsの限界と可能性を探る。


『人生 紙芝居』(第3期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2003年/DVカム/27分
監督・編集 丸谷肇
出演:森下正雄
【監督のことば】皆さんこんにちは、お父さんお母さん子供の頃、テレビのない時に?」テレビのなかった頃を想像してみる。放課後、路地にいるのが当たり前だった時代、僕は飴を買って一番前で観るような子供ではなかったであろうそんな僕が、森下さんにおずおず撮影の許可を求めると、二つ返事でokしてくれがっちりと握手をしてくれた。何を作っているのかも聞かれずに何でも撮らせてもらえた。そして僕らは森下さん達と紙芝居の世界に惹きこまれていったのだ。『この体と時間を人さまのために使わせて頂きたい人と人との心のかよふ夢と希望が持てる紙芝居師に一生をつくしたい』(森下さんのノートより)


『あはは おほほ』(第2期ドキュメンタリーコース高等科作品)
2003年/DVカム/47分
監督・編集:田村一郎
出演:三笑亭笑三/三笑亭夢丸/新山ひでややすこ/三笑亭春夢
【監督のことば】この作品の中心人物は、落語、漫才含め計4組の寄席芸人です。撮影では各々の芸と、その一つ一つの芸が出来上がっていく様子を数ヶ月間にわたって追わせていただき、毎日続く前座修行や、たったひとつの言葉に悩む漫才夫婦の姿、もしくは自らの芸について語る師匠方の言葉から、生涯続く彼らの芸人としての人生の一端を垣間見ることができました。その一方で、そんな楽屋裏の世界を何も知らず、「笑い」と「芸」を貪欲に求める大勢のお客さんが寄席の客席に集まります。たった15分という短い高座の時間ですが、そこに芸人とお客さんが「笑い」によって繋がる、温かで稀有な関係性を感じました。


『あわぶくたった』(第7期フィクションコース初等科作品)
2004年/16mm /31分
監督:渋田美由貴
出演:国本綾/服部竜三郎/山岡敏子/猪又武春
【あらすじ】母の死、父の失踪、犬の骨、それを拝む祖母、兄の病気、幸はそれらを拒否するわけでもなく、受け入れるわけでもない。それらは、ただそこにあった。ただそれだけ。少し度が合っていないコンタクトを通してみるそれらは、幸にとってごく平凡な日常だった。ある日、突然の父の帰宅とともに何かが少しズレた。蓋が少しだけ外れ、そこから何かが少しづつもれるような、そんなズレだ。それらは、初めてつけるコ ンタクトのように、幸に違和感を感じさせた。九州の片田舎に住む小さな家族に夏とともに訪れる小さな変化が、幸にも小さな変化をもたらす。それは成長とも呼べるものなのかもしれない。「全ては見えなかったのか、それとも見ようとしなかっただけなのか。ただ一つ言えるのは、今は全て見える。」


『五尺三寸』(第7期フィクションコース初等科作品)
2004年/16mm /36分
監督:別府裕美子
出演:佐久間駿/石原圭人/川上将平
【あらすじ】小学五年生の勝造、直人、沖縄からの転校生パイン。勝造は自分を顧みない母親と暮らし、直人は父親の暴力におびえている。ほとんど行かない学校でも厄介者の三人は、不法投棄場近くにある廃バスを根城に勝手気儘に遊ぶ毎日。周囲に背を向け悪ぶりながらも、それなりに楽しくやっていた。だが、成す術のない現実は、そんな勝造たちの楽園をあっけなく壊す。現実は容赦なく加速する。


『三人打ち』(第7期フィクションコース初等科作品)
2004年/16mm /32分
監督:金鋼浩
出演:大和屋疎石/穴田行央/大槻修治
【あらすじ】ストーリ-:夏。今年もヨンスは叔父の五島の元、害虫駆除のバイトをしていた。弟のソンホは母や兄に虚勢を張るだけの怠惰な生活を送りながら、離婚後一人暮らす父に会っていた。本当は女々しいくせに見栄や体裁を気にし、男らく生きろと押しつける父をヨンスは軽蔑し会わずにいたが、五島との仕事をしながらある日思い立って父に会いに行く。そこで父に初めて歯向かったソンホの姿を見たヨンス。一人泣くソンホにたまらず声をかけるが…。


『モリムラ』(第7期フィクションコース初等科作品)
2004年/16mm /33分
監督:村山圭吾
出演:東哲哉/佐藤智幸/さわいりしのぶ/山口智恵/内木英二
【あらすじ】とある住宅街。森村家は次男・洋がひきこもり、父・茂と母・みち子は離婚したのになぜか同居しているという状態。そんな中、五年前家を出て以来定職に就かず、フラフラしていた長男・拓が帰ってくる。小沢という彼女を連れて。夜。森村家の夕食の席に洋は姿を現さない。すると突然、二階からドンドンという大きな音が。驚く小沢を尻目に、一家は奇妙な形で洋とコミュニケーションをとり始める。明け方。目を覚ました小沢は洋を見かけ、興味を惹かれて二階へと向かった。小沢を部屋に招き入れた洋は、ひきこもりのことを問いただされ、自分の思いを吐き出すうちに泣き崩れてしまう。そんな洋を小沢は母親のように優しく抱きしめるのだった。だが、その現場をみち子に目撃され、小沢は森村家を飛び出してしまう。小沢を追いかけ、真相を聞きだした拓は激しく混乱し逆上。そこから拓の果てしない暴走がはじまる。
2005年みちのく国際ミステリー映画祭角川オフシアターコンペティション部門最優秀賞受賞


『チーズとうじ虫』 (ドキュメンタリー研究科講評作品)
2004年/DV/99分
監督:加藤治代
出演:加藤直美/小林ふく/加藤佳彦/加藤晶子/加藤千晶/加藤鴻一/加藤舜人/加藤颯人/加藤治代
【監督のことば】激しい嘔吐 身体に出来た沢山のあざ、救急車、チューブから流れ出る緑色の胃液 肺が半分潰れた為に鳴る壊れたオカリナみたいな呼吸、口の中に生えた苔みたいな不思議な生き物、亡くなった直後の笑顔、亡骸をはこぶ病院の長い廊下 頭蓋骨の水色のしみ・・・。どれも生まれて初めて見るとても奇妙な光景でした。私はこの不思議で重い時間にカメラを持つ事なんて思いもつかなかった。
私は母が本当に苦しんでいる時、悲しんでいる時、そして死んで行く時、何一つ撮ることができませんでした。
『チーズとうじ虫』

2005年山形国際ドキュメンタリー映画祭小川紳介賞、国際映画批評家連盟受賞
2005年ナント三大陸国際映画祭最優秀賞受賞


『ぼくらのハムレットができるまで』(第4期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2004年/DV/46分
監督・編集:山本良子
出演/学習塾赤門塾のみなさん
【監督のことば】きっかけは小さな哲学書の読書会でした。大学で哲学を専攻していた私は、大学卒業後、数カ月経ってから、インターネットで見つけた小さな哲学書の読書会に参加し始めます。そこで長谷川宏さんとお会いし、赤門塾と演劇祭のことを知ることになります。演劇祭のことを聞いた時、始めは、本番の劇を映像として残す記録係をやってみたいと申し出たのですが、その後、演劇が出来ていくまでの過程を一つのドキュメンタリーとしてまとめられるのではないかと考え始め、赤門塾へカメラを持って遊びに行くことにしたのです。


『古しえの音を求めて』(第4期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2004年/DV/42分
監督/井川路加
出演/久保田彰 武久源造
【監督のことば】今回この作品を撮るにいたって私はとても運が良かったと思う。タイミングの問題であった。私が始めて久保田氏に出会ったのは去年の二月中旬だったと思うのだが、ちょうど我々の撮影する期間と久保田氏がチェンバロ奏者武久源蔵氏からの依頼を受け、一台のチェンバロを制作する期間とほぼかさなったという事であった。そのおかげで我々はチェンバロに使用される木材を選ぶというところから撮影する事ができた。


『帰郷-小川紳介と過ごした日々-』(第5期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2005/DV/30分
監督:大澤未来/岡本和樹
【監督のことば】山形県にある牧野村。かつてこの村に、映画制作集団小川プロが約20年にわたり住み着き、映画を制作した。助監督として小川プロを支えた飯塚俊男さんにとって、小川プロでの生活、監督小川紳介と過ごした日々は何であったのか。


『和紙の音色』(第5期ドキュメンタリーコース初等科作品)
2005/DV/30分
監督:野村英司
【監督のことば】田村正師匠が紙すきを教えるのは、保育園児から大人、高齢者、外国人と様々。一つの場所に留まって仕事をする従来の和紙職人とは異なり、師匠は積極的にいろいろな場所に和紙の魅力を伝えにいきます。


『底無』(第8期フィクションコース初等科作品)
2005/16mm/31分
監督:小嶋健作
出演:西田征史/浅倉翔太/松本朋子
【あらすじ】塾講師の田辺は、平山という生徒がイジメを受けているのではないかと疑う。平山が隠し持っていたナイフを偶然手に入れた田辺は、事の真相を確かめるため 平山の家に行く。だが平山は平然と田辺にナイフを譲ると言う。


『バオバブのけじめ』(第8期フィクションコース初等科作品)
2005/16mm/34分
監督:松浦博直
出演:塚田知彦 /北口裕介/山崎幹夫
【あらすじ】大学生の和夫は東京で一人暮らし。そこに高校生の弟、洋と父政義が田舎からやってきた。蒸発した母が湘南の海岸で目撃されたのだ。和夫はとまどいながらも母を探すことになるが。


『out of our tree』(第8期フィクションコース初等科作品)
2005/16mm/31分
監督:中矢名男人
出演:築地明香/宇根泰文/西口浩一郎
【あらすじ】孤独な男の子、彼を殺そうとする母親、催眠術に囚われた少女、ヒロインを探す二人の映画青年、そして彼らを監視する謎の男…互いに互いを探し、互いに互いを見失いながら、彼らは光の中をさまよっていく。


『水の睡り』(第8期フィクションコース初等科作品)
2005/16mm/30分
監督:栩兼拓磨
出演:佐藤智幸/藤崎ルキノ
【あらすじ】かつて暮らした家は壊された。義男は音信不通だった姉、陽子とようやく再会し、共に暮らし始める。悪夢が彼を襲うようになる。過去に遡るため、2人は川の上流へと向かう。


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