脚本コース開講のメッセージ
高橋洋(初等科「金曜昼クラス」「金曜夜クラス」共通講義担当/脚本コース主任講師)
映画界は、20年以上に渡って、監督が脚本も兼ねる傾向が続いて来た。「才能」が見出されるたびに、映画界はその作家の世界に依存して来たのである。
こんなことを繰り返せば、監督たちは自分一人の世界から踏み出すことが出来ず、たちまち手持ちの引き出しを使い切って消耗してしまう。
映画の表現を鍛え上げて来たのは「娯楽」である。
この分厚いベースがあってこそ、産業も技術も育ち、作家たちの活動もあり得たのだ。映画を娯楽産業として立て直す、その根幹に位置づけられるのは、脚本の開発である。映画界は、脚本の開発を怠って来たのだ。私たちはそれに着手しようと思う。
この学校から、ハリウッドの物真似でもない、韓国映画の後追いでもない、独自のエンターテイメントを発信していこう。
作家主義の孤塁を守るのは簡単である。
しかし私たちは大勢の観客へと向けた新たな「王道」(メインストリーム)を探求することで自らを鍛え上げねばならない。映画美学校は、いわば自主映画サークルと撮影所の機能を兼ね備えた不思議な存在へと変貌しようとしているのだ。
村井さだゆき(初等科「金曜夜クラス」担当/脚本コース主任講師兼任)
想像してみてください。10年後の自分を。
見回してみてください。今の自分を。
そこに1本の線を引いてみましょう。
あなたは、そこに一直線に進みたいと願うでしょう。でも、ただ平坦な道を、真っ直ぐに進むだけではつまらないと思いませんか?
線の上に障害物を置いてみましょう。それは人との衝突かも知れません。突発的な事件かも知れません。あなたはその度に葛藤し、たくさんの選択肢に迷いながら、前に進みます。時には自力でそれを乗り越え、時には人に助けられながら。
10年後、この出発点を振り返ったとき、その道筋はとても豊かな歩みになっているでしょう。まるで一本の映画のように。
今やってみたこと――実はこれがシナリオ作りの奥義なのです。
私たちは今も日々、泣き、笑い、歓び、怯え、楽しみ、怒り、ホッとしたり、哀しんだり、ただ呆然と立ち尽くしたりしながら生きています。さまざまな感情の揺らぎを、架空の登場人物に仮託して、映像作品の中に固着させる設計図を書くこと。これがシナリオライティングです。
未曽有の大災害を経験してもなお、私たちは前に進まなければなりません。
あなたが10年後のあなたを目指して歩き出すなら、私たちはその最初のささやかな援助者になれるでしょう。
三宅隆太(初等科「金曜昼クラス」担当/脚本コース講師)
脚本家の仕事は、自分の書きたい脚本を好き勝手に書いて終わり、ではありません。
プロデューサーからの「お題」や、クライアントのオーダーに応えて、自ら書いた脚本を書き直す作業、すなわち【リライト】が重要なのです。
とはいえ、コレがむずかしい。
実際シナリオコンクールで受賞しても、プロになった途端、このリライト作業を乗り越えられずに挫折するひとは大勢います。
こんな風に書くと「うわ、なんだか難しそう……」と思われるかもしれません。
でも、どうかご安心を!
私のクラスでは「脚本の書き方」から「面白い脚本の書き方」まで幅広くカバーしてゆきます。
さらに、日本では数少ないスクリプトドクターとしての観点から、リライトの指導も丁寧に行います。
また、デビュー後を見越したプロデューサーとの交渉の仕方、自分の企画やアイデアを的確にプレゼンするためのメンタルトレーニングも行います。
ですから、「脚本なんて書いたことはおろか、読んだこともない!」という初心者の方でも心配はいりません。どうぞふるってご参加ください。
あなたにしか書けないエンターテインメントを一緒に探していきましょう!


