公開講座/イベント
映画美学校公開講座
THE FILM SCHOOL OF TOKYO

「ノンフィクション講座2006-映像表現と文章表現の境界をめぐって」

主任講師:森達也(映像作家/ノンフィクション作家)

映画美学校では、ドキュメンタリー・コースの共通講義「ノンフィクション研究」を公開講座にいたしております。主任講師は映像と活字の両分野でノンフィクション表現を展開する森達也監督。毎回講義は、様々な分野で活躍する気鋭の表現者をゲストに迎え、森達也監督―ゲスト講師―受講生間の対話と質疑応答で構成されており、他では見られない映像作品の参考上映なども行っております。本講座は、映画美学校ドキュメンタリー・コースの初等科・高等科・研究科生を対象とする共通講義になっているとともに、ノンフィクション表現に関心のある一般の方々に向けても開かれた、1年を単位とした公開講座でもあります。


開講のメッセージ「一緒に刺激を受けましょう!」

森達也(「ノンフィクション講座」主任講師)

テレビ時代を入れれば、僕はもう二十年近くドキュメンタリーと接しているわけだけど、実は今も、これがドキュメンタリーなんだと、胸を張って言える語彙がない。不思議なジャンルだ。掴もうとすると指の間から逃げる。でも存在している。時には屹立している。でも曖昧だ。形がない。

ひとつだけ断定できることを書けば、「事実の記録」などという傲慢な考えは捨てるべきだ。事実は人間やキャメラごときに記録されるほど、矮小なものではない。ドキュメンタリストができることは、せいぜいが事実の破片や断片を拾い上げ、懸命に集め、その集積で自らの世界観を再構成することくらいだ。つまりは徹頭徹尾、表現行為なのだ。あなたがAを撮れば、あなただけのAになる。Bを撮れば、あなただけのBになる。だからこそ、ドキュメンタリーは面白い。

だから本音を書けば、「教える」ことは僕には無理だと思う。そもそもドキュメンタリーをはじめとするノンフィクションの表現に普遍的なセオリーや公式などないのだから。ただ、僕自身のやり方や経験則を、口にすることはできる。あるいは先人から聞きだすこともできる。逆に言えばそれが精いっぱい。しかし、料理人を目指すのなら、料理に対して何はともあれ貪欲であることは最低条件だ。だから触れてほしい。咀嚼してほしい。そして嚥下してほしい。料理の種類は、敢えて様々なジャンルにした。口当たりのいいもの、悪いもの、中華もあればイタリアンもあるし、もちろん和食もある。ゲテモノだってあるかもしれない。とにかく月に一回のフルコース。一緒に刺激を受けましょう。(2005年9月)


実施期間
2006年10月17日(火) 〜2007年7月10日(火)(10日間/10回)
原則として毎月一回火曜日夜

※都合により、講義日程とゲスト講師が変更になる可能性があります。ご了承下さい。

講師陣

主任講師:

森達也(映像作家・ノンフィクション作家/『A』『A2』監督/『下山事件』『ドキュメンタリーは嘘をつく』)

ゲスト講師(五十音順):

池谷薫(テレビディレクター・映画作家/『延安の娘』『蟻の兵隊』監督)
坂上香(映像ジャーナリスト/『エイズと闘う子供たち』『ライファーズ』監督)
田原総一朗(ジャーナリスト/『ドキュメンタリー青春』演出家『日本の戦争』著者)
長嶋甲兵(テレビディレクター/『課外授業ようこそ先輩』『詩のボクシング』演出家)
野中章弘(映像ジャーナリスト/『沈黙と微笑』『ジャーナリズムの可能性』著者)
原一男(映画作家/『極私的エロス・恋歌1974』『ゆきゆきて、神軍』監督)
桃井和馬(写真家/『もう、死なせない!子どもの生きる権利』『破壊される大地』著者)
吉田司(ノンフィクション作家/『下下戦記』『王道楽土の戦争』著者)
綿井健陽(ビデオジャーナリスト/『Little Birds〜イラク戦火の家族たち』監督)

日程(森達也監督もしくはゲスト講師のご都合により変更になる可能性があります)

2006年
第1回:10月17日(火)19:00〜
ガイダンス:森達也監督作品上映+質疑応答
第2回11月14日(火)19:00〜
ゲスト講師:田原総一朗(ジャーナリスト)
第3回12月 5日(火)19:00〜
ゲスト講師:長嶋甲兵(テレビディレクター)
2007年
第4回1月 9日(火)19:00〜
ゲスト講師:坂上香(映像ジャーナリスト)
第5回2月13日 (火) 19:00〜
ゲスト講師:綿井健陽(ビデオジャーナリスト)
第6回3月 6日 (火) 19:00〜
ゲスト講師:桃井和馬(写真家)
第7回4月 3日 (火)19:00〜
ゲスト講師:池谷薫(テレビディレクター・映画作家)
第8回5月15日(火)19:00〜
ゲスト講師:吉田司(ノンフィクション作家)
第9回6月 5日(火)19:00〜
ゲスト講師:野中章弘(映像ジャーナリスト)
第10回7月10日(火)19:00〜
ゲスト講師:原一男(映画作家)


会場
映画美学校第一試写室
東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル1F
TEL.03-5205-3565(月〜土12:00〜20:00)

申込方法(先着順)
定員:一般30名
映画美学校ドキュメンタリー・コース初等科・高等科・研究科生の方は、カリキュラムに含まれておりますので、あらためて手続きをする必要はありません。

受講料:年間30,000円(税込)
公開講座『世界のドキュメンタリー』(佐藤真主任講師/年間受講料30,000円)と共通で受講する方は、2講座で受講料が55,000円(税込)となります。

お問い合せ
映画美学校
〒104-0031 東京都中央区京橋3-1-2 片倉ビル1階
(JR東京駅八重洲下車南口 徒歩5分/東京メトロ銀座線 京橋駅下車3番出口前)
TEL. 03-5205-3565 FAX. 03-5205-3566
受付時間 月〜土 12:00〜20:00


主催:映画美学校
協力:アテネ・フランセ文化センター
   ユーロスペース


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